チラックス研究所

チラックスを目指すブログ。ウィンブルドン、ランニング、外から見た日本、海外生活、書評などについて。

ウィンブルドン2019男子シングルス決勝、フェデラー対ジョコビッチ現地観戦記

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プロローグ

2019年2月、僕はまだロンドンに住んでいた。いつものように仕事から帰ると、一通の郵便が届いていた。ドアの郵便差し込み口から放り込まれたその封筒は、若干よれよれになりながら無造作に床に転がっていた。

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それは、ウィンブルドン2019最終日、センターコートペアチケットの当選通知だった。

正直言って、抽選に応募したことも忘れていた。というのも、毎年申し込んではいたが、5年間当たったことがなかったのだ。6年目で初めての当選だった。

もちろん、ロンドンに住んでいた間、ウィンブルドンには毎年行っていて、センターコートでの観戦も何度もしている。でもそれは、テントと寝袋持参で前日から並んだり、当日早朝から並んだり、要するに The Queue (行列) 経由のものだ。

今回のチケットは意味が違う。「最終日」のチケットなのだ。準決勝以降が行われる大会終盤の4日間、センターコートの当日券は、行列に並ぶ人たちには配分されない。

最後の4日間にセンターコートで試合を観戦したいと思ったら、抽選以外は例えば以下のルートがある。

  • お金を持っている(ディベンチャー専用チケット、ホスピタリティーチケット)
  • 何かの分野で著しく秀でている(ベッカム、松山英樹、ヒュー・グラント、ジュード・ロウ、エマ・ワトソンなど)
  • イギリス王室である(ウィリアム王子、キャサリン妃など)

要するに、一般人にはほとんどノーチャンスなので、最終日のチケットに抽選で当たるというのはとんでもなく貴重なことなのだ。

抽選の応募方法をはじめ、その他のチケットの取り方などについても、これらの記事にまとめてある。

当時の興奮のツイートがこちら。

抽選で当たると言っても、当たったのは「定価でチケットを買える権利」なので、僕はすぐさまペアチケット代450ポンド (約6万5千円) をカード決済した。

日本への帰国

かねてからの予定通り、4月に日本へ帰国した。一時的なものではなく、引っ越しだ。

日本での出勤初日、僕は上司に「ウィンブルドン決勝のチケットを持っているので、その前後は絶対に休む必要がある」旨を伝えた。快く了解してくれたことを感謝している。

僕はフライトを予約し、宿を提供してくれるイタリア人の友人に連絡をとった。

嬉しい報せ

2018年中、ウィンブルドンのチケット抽選の応募方法をまとめて記事にしていた。それを見て応募し、見事に当選した方がいて、連絡をくれていた。しかも複数人だ。中には当選したペアチケットの一枚を譲ると申し出てくれた人もいたが、今回の渡航スケジュールとは合わず、泣く泣くお断りした。

また、抽選には外れたが、ヨーロッパに新婚旅行に行く際にどうしてもウィンブルドンに行きたいため、このブログを参考にディベンチャーチケットを購入した方もいた。

些細な情報でも意外に役に立つとわかったのが新たな発見であった。これからもできるだけ情報発信していきたい。

準々決勝:フェデラー対錦織

決勝に向けて余裕を持ってロンドンに到着したので、他の予定の合間を縫って、準々決勝と準決勝を観戦した。

まず準々決勝はパブで。多くのパブではスポーツ中継が流れている。通常はフットボール(イギリスではサッカーと言うと怒られる)だが、この時期は間違いなくウィンブルドンだ。

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錦織は良いスタートを切り第1ゲームをブレークし、そのまま第1セットを奪取。

しかし調子を上げてきたフェデラーが2セット目以降は完璧なプレーを見せ、2、3、4セットを連取し準決勝進出を決めた。錦織はフェデラーのサービスゲームでほとんどノーチャンスになってしまい、なんとかサービスキープを続けたが、寄り切られた格好だ。

錦織ファンであると同時にフェデラーファンでもある僕は、やや残念であるがフェデラーの調子の良さもわかったので、それほど落ち込む事はなかった。

準決勝:フェデラー対ナダル

フェデラー対ナダルの観戦場所として選んだのはセントポール大聖堂の前のパブリックスクリーン。

リクライニングチェアーもあって、快適そのもの。公共の広場なので、当然入場料なんかも必要なく、ぶらっと来てぶらっと帰れる。

さて、ウィンブルドン期間中のロンドンでは、前述のパブだけではなく、いろんなところで試合が見れる。

もちろんテレビ (BBC) でも毎日生中継しているので、家でも見れる。ちなみにこのオープニングの音楽が大好きだ。

試合の方はフェデラーが3-1で勝利。セントポール前の観客の応援は、やはりフェデラーの方が多かった。

決勝:フェデラー対ジョコビッチ

会場では伊達公子さんとすれ違ったり。

試合はウィンブルドンの決勝史上最長の約5時間の熱戦に。ジョコビッチがフェデラーのマッチポイント(しかもフェデラーのサーブで!) を2つ凌いで、5度目のウィンブルドン制覇。

フェデラーのハイライトはこちら。

フェデラーのマッチポイントのときも2回とも、しっかりスマホを構えていたが、どちらもやや中途半端なプレーでマッチポイントを凌がれてしまったのが悔やまれる…。

感想