すぐにというわけではないですが、東京で住宅を購入することもあるかもしれないので、読んでみました。
将来的に資産価値が落ちないような家を買おう、というのがこの本の主張で、どのような観点で選べばよいかを説明してくれます。
個人的に覚えておきたいポイントを記録しておこうと思います。
長期優良住宅
従来、日本の一戸建ての寿命は短く、建てて壊しての繰り返しが主流でしたが、欧米では質の高い古い家が中古住宅市場に多く流通しています。
日本でも「長期優良住宅」という国の制度が始まり、基準を満たした質の高い家は減税措置を受けられるなどのメリットがあります。
購入する際は、その物件が長期優良物件に該当するかも意識しておきたいです。
地震、水害などの災害への対応
日本は地震が多く、遠くない将来に首都直下型地震が起こる可能性も指摘されています。
また、台風の通り道にもなっています。2019年の台風19号の際、多摩川が氾濫して武蔵小杉のタワマンが水没したニュース映像も記憶に新しいです。
災害の多い国なので、災害に強いか、というのも疎かにできないポイントです。
耐震設計基準
「旧・旧耐震」、「旧耐震」、「新耐震」、「新・新耐震」と分かれてます。「新・新耐震」は2000年6月1日以降に建築確認を受けた建物です。マンションであれば「新耐震」(1981年6月1日〜)、木造住宅であれば「新・新耐震」で建てられているかは確認しましょう。
地震関係参考リンク
地震被害シミュレーション(地震被害想定)|杉並区公式ホームページ
洪水ハザードマップ
外水氾濫(川の氾濫など)と内水氾濫(下水処理能力を超えて溢れる)のどちらも確認する必要があります。
洪水関係参考リンク
マンションに比べて、一戸建を購入する際の注意点
面してるのは公道か私道か、幅員は何メートルか、道路後退(セットバック)が必要か。この辺は何が重要なのか全然わからないので、いざというときにはもっと詳しく調べます。
また、私道の場合は、持分はあるのか、所有者は複数か、どのような人か、「通行・掘削承諾書」をもらえるのかなども確認が必要とのことです。
いずれにせよ、中古物件の場合はホームインスペクションをやった方がよさそうです。
立地適正化計画
日本は人口が減少していくので、重要施設をまとめてコンパクトシティを作る取り組みを市町村ごとにやっていて、公表されています。
日常生活に必要な商業施設へのアクセスなども物件の資産価値に影響するので、予め確認しておく必要があります。
宅地建物取引業者情報の照会
仲介会社の情報の確認の仕方。東京都住宅政策本部のサイトに載っています。現在は利用停止中ですが…。
生産緑地制度の期限、2022年
生産緑地制度の期限である2022年に生産緑地(≒都会にある農地)の売却が多発するのではないか、という2022年問題があるそうです。
周辺の不動産価格にも影響があるかもしれないので注意が必要です。
働き方の変化
この本は2019年に出版されたので、コロナで在宅勤務が当たり前になった世界を想定していません。
都心に近いほど資産価値が高く、将来も下落しないという大前提のもと、多少狭くても都心、準都心の物件推しなトーンで書かれています。
ポストコロナ時代でも、都心の物件は資産価値が高いということは変わらないでしょう。
しかし、働き方や生き方の見直しがこれだけ進むと、いくら都心とはいえウサギ小屋のような狭い家で在宅勤務、ステイホーム生活をするのは厳しいと感じる人が増えたのではないでしょうか。
外で働いて帰って寝るだけの都心の便利な家、から、もっと生活のクオリティを高めるための家、へと家選びのウェイトも移っていくと思います。