チラックス研究所

チラックスを目指すブログ。ウィンブルドン、ランニング、外から見た日本、海外生活、書評などについて。

勝田全国マラソンを走ってきた

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2020年1月26日に行われた勝田全国マラソン(茨城県ひたちなか市)を走ってきた。

今回の目標は、2019年4月に前橋・渋川シティマラソンで出した自己ベストの4時間32分を更新する事。4時間30分をターゲットに。

気温は6度、曇り、風なしとやや寒いけど気象コンディションはまずまず。

なるべく楽に淡々と10キロ65分のペース(1キロ6分30秒)で刻み、30キロから切り替えて少しペースを上げれば4時間30分いけるかな、と考えた。

実際にラップタイムを見ると、5キロ32分30秒をすこし切るペースで25キロまで進み、そこから30キロまでにやや疲れたものの大幅に設定ペースを外れる事はなかった。

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体感としては、15キロ過ぎから脚がやや固まり出して動かなくなってきており、20キロ以降はちょっと頑張ってペースを維持させていたので、楽に30キロまでというプランは難しいかなと思っていた。

ただ、自分の腕時計では30キロ通過は3時間15分と予定通りだったので、4時間30分は無理でも4時間40〜45分は余裕だろうと考えた。そうすればセカンドベストは確保できる。しかし…

結果としては30キロ以降に大失速し、結局タイムは5時間5分。最後の10キロはもう歩き、止まり、時々走り、と辛過ぎて、フィジカル的には左内ももが攣りそうでやばかった。

30キロの壁にまんまとやられたのは、4時間32分で走れた前橋・渋川シティマラソンの時と比べると圧倒的に練習不足だから。当時はマラソンの前月までの3ヶ月で、142キロ、147キロ、174キロと合計463キロの走行距離があった。同じくらいのタイムに終わった昨年10月の水戸黄門漫遊マラソン(5時間1分)、今回の勝田全国マラソン(5時間5分)の場合、それぞれ118キロ(=29+34+55)、163キロ(=85+44+34)しか走っていない。マラソンはある程度の練習量がないと話にならない。

2019年10月の水戸黄門漫遊マラソンと比べるとやや沿道の応援は少ない気がしたが、水戸市に比べると勝田マラソンの開催地であるひたちなか市と東海村は人口が少ないので、妥当なところか。私設エイドも含めて十分な数の補給所があり、ボランティアの数も多く、素晴らしいホスピタリティーだった。途中の小学校か中学校の吹奏楽の演奏には特に力をもらったし、走り終わった後に温かいお茶を提供してくれていた近隣商店街の方たちは神かと思った。ありがとうございました。

アシックス・ランニングラボ東京で走力能力測定をやってきた

年末にアシックス・ランニングラボでランニングの能力測定をやってきました。ランニングラボは、アシックスストアの銀座、原宿、大阪に併設されていて、ランニング能力を総合的に測定してもらえます。事前予約制で、公式ページから予約します。

お値段は21,000円と張りますが、2時間半かけて以下の項目を測定します。トップアスリートになったような気分になれます。実際、トップアスリート向けの能力測定を一般の人でも受けられるようにしたのがこのサービスです。

良心的なのが、代金は当日支払いなので、体調等でやむを得ない場合は当日までキャンセル料なしでのキャンセルが可能です。もちろんむやみにキャンセルするのはやめましょう。

体組成測定

まず体の筋肉量と脂肪量を、タニタのちょっと良い体組成計(以下の写真の左のもの)で測定します。僕はまぁ標準体型で、上半身の筋肉が若干少ない感じでした。体脂肪率が17.8%でしたが、男性ランナーの理想は13%らしいのでもう少し絞る必要がありそう。

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筋力測定

次は太ももの筋力測定です。脚を伸ばす力と曲げる力を、上の写真の右にある椅子のような機械で測定します。左右別々にやります。下半身の筋力は結構あるみたいで、10段階評価の10と9でした。

下肢アライメント測定

骨の配列や、関節の柔軟性を測定します。概ね問題なさそうでしたが、股関節の内旋方向が硬いみたいです。股関節の内旋方向が硬いと、太ももをつけて両足を開く、いわゆる女の子がぺったんこと座る時の座り方がし辛いということです。確かにほとんど経験のない姿勢です。これからは積極的に女の子座りをして改善していきたいです。

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足型測定

三次元足型測定器を使って足型を測定します。こんな感じで結果が出ます。足囲がやや細めで、左足が右足より1cm長いという結果でした。

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ランニングフォーム・全身持久力測定

ランニングラボのメインは、この全身持久力測定だと思います。足型測定などは頑張れば自分たちでできますが、全身持久力測定はランニング中の酸素摂取量などを測定するので、専門的な設備がないとできないからです。

装置と繋がったマスクをつけてトレッドミル(ランニングマシーン)上を走ります。同時にカメラでランニングフォームも前後上横から撮影してもらうので、後でDVDでもらえます。測定中の写真がこちらです。

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ペースは楽なスピードから始まって、1分ごとに上がっていきます。だいたい15分くらい走ります。限界に達したら途中でストップもかけられます。

ランニングフォームとしては、ももの引き上げと腕の振りが不十分だということがわかりました。また、だいたい予想はついてましたが、走りのタイプはストライド型ではなくピッチ型でした。

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測定結果をもとに、自分のATペースとRCTペースを教えてもらえます。

ATとはAnaerobic Thresholdの略で、無酸素性作業閾値と訳されます。有酸素運動から無酸素運動に切り替わる閾値で、理論的にはこのペースならエネルギーが尽きない限りいつまでも走り続けられます。僕のATペースは5分13秒/kmとの結果でしたが、現時点ではこのペースだと10kmそこそこしか持たない気がします。

RCTとはRespiratory Compensation Thresholdの略で、きついと感じだす点です。これは4分36秒/kmという結果でした。正直このペースではほとんど走ったことがないのでよくわかりませんが、20分〜40分はいけるようなペースらしいです。

結果は後できれいなPDFファイルを送ってもらえますが、測定当日にもホワイトボードを使って説明してもらえます。

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測定の日に「ランニングの科学」という小冊子(非売品)をもらえます。測定の背景理論などが解説されていてなかなかの優れものです。

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ランニング能力測定時にもらえる小冊子「ランニングの科学」の表紙

感想

やってみてよかったです。ランニングをしてるとレースや練習でタイムはわかるのですが、タイム以外に客観的にわかることが少ないので、今後のトレーニングを考える上でとても参考になりました。

ATペースなどは普段はわからないので特に測定できてよかったですし、しかも思ったよりも速かったので、理論的にもまだまだいけるんだなとモチベーションアップにつながりました。腕の振りの小ささについても自分では気づいてなかったポイントでした。

一度全てを測定した後は、全身持久力測定のみだと8,000円でできるので、例えば1年に1回やってみてトレーニング効果を確認する、などもありかと思います。

箱根駅伝の思い出、僕が見続ける理由、オススメの本

かれこれ10年以上、箱根駅伝の生中継を全て見ている。つまり、1月2日と3日は11時間超をテレビの前で過ごす。ここ5年は、9時間の時差のあるロンドンにいるので、スタートは真夜中、ゴールは明け方となり、ほぼ徹夜である。でもやはりスポーツは録画ではなく、リアルタイムで見ることに醍醐味があると思っている。

2018年はネット環境にトラブルがあり、いつもの方法が使えず、急遽ロンドンの自宅と日本の実家とをフェイスタイムで繋いで、実家のテレビを遠隔で見るという苦労を強いられた。

箱根駅伝のスポーツコンテンツとしての面白さ

ここまでするのは、やっぱり箱根駅伝がスポーツコンテンツとして面白いからだ。優勝争い、シード権争いという勝ち負けの世界での見どころあり、山登り、山下りでのごぼう抜きという個人としての見せ場あり、さらに、正月三が日ののんびりした時間と、1区間約20km×10区間という長丁場が上手くマッチしている。

マスコミが上手く盛り上げて国民的人気イベントとなった今、選手個人の様々なドラマまで取材されて、メディアは消化し切れないほど情報に溢れている。さらに昨今では、ツイッター、インスタグラムなどでの選手からの直接アップデート、熱狂的なファンからの情報発信も豊富で、追いかけるのが大変である。しかし、シーズンを通して選手たちの動向を追い、事前知識をつけると、箱根駅伝本番をより楽しむことができる。

ここ2年は、著名な陸上長距離ファンであるEKIDEN NEWS氏による、細かすぎる箱根駅伝ガイドも発売されている。僕も普通の人に比べたら相当詳しい方だと思うが、上には上がいることがよくわかる一冊だ。

あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2019 (ぴあMOOK)

山の神・柏原竜二の圧巻の走りをきっかけに東洋大を応援

最近ではなんとなく毎回、東洋大を応援している。東洋大を応援するきっかけとなったのは、やはり柏原竜二さんの山登りの圧倒的パフォーマンスを見て、うおーこれはすげーと思ったからだろう。(以下、競技活動中、引退に関わらず敬称を略す)

柏原の場合、1年生のときの関東インカレ10,000mで3位(日本人トップ)に入り、全日本大学駅伝でも区間賞を獲得するなど、平地での実力も折り紙つきだった。だから1年生とは言え、有力選手として活躍するだろうと思われていたが、予想を上回る鮮烈なデビューとなった。4分58秒差で9位でもらった襷を、トップで芦ノ湖までもってきたのだ。

ちなみに、現在の東洋大の2年生西山和弥も、1年生時の関東インカレ10,000mで日本人トップになり(リオ五輪出場の順天堂大・塩尻和也にも競り勝っている)、2018年箱根駅伝1区区間賞など素晴らしい成績を残している。西山と柏原とはなんとなく顔の系統も近い気がするので、今後の活躍を期待せずにはいられない。

さて、柏原は2年生でも区間新記録で自身の記録を更新し、2年連続の東洋大の総合優勝に貢献。3年生は、前の2年に比べると不調で、区間賞はきっちり押さえたものの、チームは早稲田大にわずか21秒差で敗れる試練の年となった。

4年生では、設楽啓太、悠太兄弟などのチームメンバーの成長もあり(注、悠太は7区)、5区の柏原は初めてトップで襷をもらう。3度目の区間新記録、東洋大も断トツの総合優勝で、有終の美を飾った。

個人的には、このときの3区の山本憲二(現マツダ所属)の走りに痺れた。前年はアンカーとして区間賞の走りをしながら、21秒前でゴールした早稲田大の歓喜の瞬間を目の当たりにした。この年は逆に、早稲田大を3区後半、湘南の海岸線沿いで突き放した。僕はこの年の東洋大の優勝はここで決まったと思っている。山本は2018年の東京マラソンで好走し、マラソングランドチャンピオンシップ出場権を獲得している。

柏原から設楽兄弟までの東洋大黄金時代を振り返りたかったら、酒井監督の書いたこの一冊がオススメだ。

その1秒をけずりだせ 駅伝・東洋大スピリッツ

山の神たちのその後

現時点で山の神と呼ばれるのは、今井正人(順大)、柏原竜二、神野大地(青学大)の三名であるが、彼らは強豪校のエースレベルの平地での走力があり、なおかつ山登りの適正があった。

服部翔大(日体大)、設楽啓太(東洋大)も柏原卒業以降、山登りで区間賞を獲ったエースたちだが、記録は山の神レベルまでは行かなかった。もちろん服部が区間賞を獲った年は強風が吹き荒れていたので、単純な比較はできないものの、彼らの場合、平地の走力が主要因となった区間賞だろう。

少々気になるところが、山登りで区間賞をとったエースたちが、社会人となって当時ほどのインパクトを残せていないことだ。

柏原は卒業後は怪我が続き、2017年には引退した。もちろん、今井は日本代表にも選ばれているし、神野も挑戦開始からまだ1年のマラソンでは思うような成果が出てないものの、ニューイヤー駅伝では好走しているなど、素晴らしい結果もあるのは事実だ。

しかし、服部、設楽啓も含めて、注目度で言うと学生時代ほどの、スポーツ紙の一面を飾るような華々しい結果、あるいは本人が望むような結果には、まだ到達してないのではないか。

このように感じるのは、山の神、あるいは各校のエースとしての注目が先行してしまい、われわれ一般人が、ある意味過剰な期待を持ってしまっているからかもしれない。要は、躍動感あふれる姿で山を駆け登ったヒーローの残像が、僕らに強く残っているのだ。

一方で山下りの方は、谷口浩美、川内優輝など、日本を代表するランナーを生んでいる。谷口まで遡るのは反則かもしれないが、そんな印象がある。もし山登りのダメージが、その後の競技生活に響いているとしたら、問題ではある。しかし、あれだけ注目される檜舞台を学生や視聴者から奪うのは、もはや不可能だろう。

2019年箱根駅伝の展望

2018年の出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、二度目の学生駅伝三冠に王手をかけた青山学院大が大本命だろう。東洋大、東海大にもチャンスはあるか。青山学院大が優勝確率50%、東洋大20%、東海大15%、駒沢大10%、その他の大学5%という感じではないか。

東大の近藤秀一にも注目したい。4年連続で関東学生連合に選出されており、特に3年生だった2018年の箱根駅伝では、チームのエースとして活躍が期待されていた。しかし、まさかのインフルエンザに罹り出場が叶わなかった。4年生として迎える今回は、夏場の怪我もあり3年生のときほど順調ではない様子だが、とにかく出場を果たしてほしい。

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柏原時代を振り返るのに最適な3冊。青学時代以前の箱根の全てがわかる。

栄養を基本から理解するすばらしい一般書:スポーツ栄養学、寺田新

 

スポーツ栄養学: 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる

東京大学出版会による、「スポーツ栄養学」のエッセンスをまとめた硬派な本だ。東大での講義内容を抜粋したもので、栄養についての知識が科学的根拠に基づいて基本からしっかりと体系立てて整理されている。

アスリートやそのサポートをする人たちにとっては、この本で栄養について正しく理解することが、パフォーマンスの向上につながることを期待できる。

また、市民ランナーなどの一般のスポーツ愛好家、ダイエットに励む人などは、日常生活で忙しく、短い時間、少ない労力で効率的に成果を挙げたい人が多いだろう。その場合に、世間に溢れる怪しいノウハウを盲信するのではなく、本書などで一度じっくりと正しい理論を押さえた方が、遠回りに見えるかもしれないが結果的に早道になりうるだろう。

科学的根拠やメカニズムを大事にするその姿勢は、本の内容に高い信頼感を与えている。参照論文のリストも章末に付いていて、必要であればソースを辿ることもできる。

たとえば糖質制限食についてはこのように述べられている(太字は追加した)。

糖質制限食によって体重減少効果が得られることを支持する結果は、残念ながら得られていないようである[参照論文の番号]。今後、糖質制限食・低糖質食に関する研究はさらに増え、それによって結論が変わる可能性は否定できないものの、現時点においては糖質を制限するメリットは必ずしも大きくないのかもしれない。 

著者が現役の研究者だけあり、科学的厳密さを損なわないこの慎重な書きっぷりが良い。

もちろん、糖質制限が減量に効果ありとする一般論には一応根拠があって、それは糖質摂取にともなう血糖値の上昇によって分泌されるインスリンが脂肪の合成を促すホルモンだから、というものだ(この辺も本の中では丁寧に説明されている)。世間ではこれを強調して「糖質オフ」「炭水化物制限ダイエット」などが流行っているが、糖質制限食が科学的厳密さを持って減量効果ありとは(まだ)言えないのだ。

この本では他にも、「なぜ食べ過ぎてしまうのか?」「エネルギーをためる脂肪と消費する脂肪の違い」「筋が肥大するメカニズム」などについても、細胞・分子レベルから詳しく解説している。糖質、たんぱく質、脂質といった三大栄養素から水分補給やサプリメントまで網羅されており、コラムでは最新の研究なども紹介されていてとても興味深い。

スポーツを専門でやっている学生、今まで我流だったがここら辺で理論を固めておきたいスポーツ愛好家、健康に気をつけたい一般人まで、1冊持っておいて損はないだろう。

ロンドンマラソン2年連続当選という500人に1人の快挙?を達成

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ロンドンマラソン2019に当選した

2019年のロンドンマラソンに当選しました。

イギリス国内から一般エントリー抽選に応募して当選すると、写真のような"YOU'RE IN!"という表紙のマガジンが届きます(後からeメールでの結果通知もあります)。

日本を含む海外からの応募だと、結果はeメールのみで通知されます。

しかもなんと!2年連続での当選なんですよね。

リアル世界の周りの人の中には毎年応募しても全然当たらないという人もいるし、ツイッターを見てても、7年外れ続けて今年初めて当たった人(↓)なんかもいて、俺超ラッキー?という感じです。

どのくらいレアなのか?

ざっくり考えると、きっと東京マラソンの倍率(12.1倍)と似たようなものなので、2年連続で当たる確率は、

(1/12.1) * (1/12.1) = 0.0068

ということで0.7%くらいかと推定できます。100人に1人よりはレアですね。

もう少し真面目に考えるために、ロンドンマラソン公式ホームページのQ&Aで、抽選当選者の数を聞いている質問を見てみましょう。

Q. How many people gained a place through the ballot this year?
A. We do not disclose details of the ballot process for any of our events as this is commercially sensitive information. The number of places available through the ballot varies each year depending on the number of runners who qualify for Good for Age places and the number of entries that are deferred from the previous year.

We do not disclose ということで、教えてくれないんですね笑。商業的に重要な情報だから。年齢ごとの基準タイムをクリアした応募者や、前年から権利を繰り越した人の数にもよるからだとか。

公式の情報ではないですが、このニュース記事によると、当選者はだいたい17,500人ということなので、これを使うことにします。

抽選の応募者は、414,168人と公式発表されています。ということで、2019年大会の倍率は、

414,168 / 17,500 = 23.7 (倍)

と、東京マラソンよりも当たりにくいですね。

2018年大会の倍率もまぁ同じくらいだと仮定して、2年連続で当たる確率は、

(1/23.7) * (1/23.7) = 0.0018

0.2%、つまり500人に1人のレア度ということになりました。

出走するか?

2019年のロンドンマラソンは4月28日に行われます。

正直言うと、その時期にはもう日本に本帰国していると思われるのですが、怪我と準備不足で散々だった2018年のロンドンマラソンのリベンジを果たしたいという気持ちもあります。前後の数日だけロンドンに来るかなぁ。

1年だけ権利を繰り越すことができるので、2020年に走るという選択肢もあります。

ロンドンマラソンは、観客数がハンパではなく、途切れることなく応援が続く雰囲気の素晴らしい大会です。

せっかく当たったチャンスなので、2019年であれ2020年であれ走ろうと思います。

ロンドンマラソン市民ランナーの成績を分析!日本人平均タイムは?

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2018年4月22日に行われたロンドンマラソン。

市民ランナーの完走者40,213人(男性23,724人、女性16,489人)のデータを分析してみるといろいろ見えてきたので、まとめていきたいと思います。

ロンドンマラソンはワールドマラソンメジャーズ(世界6大マラソン。他はニューヨークシティー、ボストン、シカゴ、ベルリン、東京)の一つで、2018年は38回目の開催でした。

4月としては異例の暑さに見舞われ、気温は24.1度まで上昇し、ロンドンマラソン史上最も暑い大会となりました。

国別ランナー数トップ15

今年のロンドンマラソンには126の国と地域からランナーが集まりました。断トツトップは開催国イギリス(GBR)の33,858人。厳密に言うと恐らくこれはイングランドだと思われます。ウェールズ(WLS)やスコットランド(SCO)が別カウントされているので。

以下のグラフは、イギリスを除いたトップ15の国々です。アメリカ(USA)が一番多く、804人。中国(CHN)、アイルランド(IRL)、フランス(FRA)、イタリア(ITA)、ドイツ(GER)と続きます。

アメリカが特徴的なのは、女性ランナー(F)が男性(M)より多いことです。(グラフにマウスを合わせると、男女別の人数がわかります。)

日本(JPN)はグラフでは一番右に位置しており、98人(男性65人、女性33人)が完走しています。(私もその一人。。)

ランナーの年齢層は?

ロンドンマラソンの場合、ランナーの年齢そのものは取得できませんが、5歳刻みの年齢グループはわかります。ただし「18〜39歳」だけは1グループにまとめられてしまっています。

では、上と同じ15ヶ国についてランナーの年齢分布を見てみましょう。

グラフで一番右に位置する日本、明らかに年齢層高めです。「18〜39歳」の割合は最も低く13%、そして45歳以上が約8割を占めています。「55〜59歳」「60〜64歳」「65〜69歳」「70歳〜」それぞれのグループの割合が他のどの国よりも高くなっています。

以下のグラフは、何%のランナーがそれぞれの年齢グループに属するかを、男女別に示したものです。

男性は半分弱、女性は半分以上が「18〜39歳」グループに入っています。

男女別の平均タイムは?

ここでは、平均タイムではなく、真ん中の順位の人のタイムを見てみましょう。結果は、男性が4時間32分17秒、女性が5時間11分3秒でした。

10分刻みでプロットしてみると下のグラフのようになります。男性は4時間〜5時間、女性は4時間半〜5時間半くらいがボリュームゾーンになります。

男女とも3時間50分台のところに尖った山が現れているのは、多くの人がサブフォーを達成するために最後の力を振り絞った証でしょう。

国別団体戦、優勝は?

10人以上完走者がいる国を、左からトップタイムが速い順に並べ、平均タイムも表示しました。

国別団体戦というものが公式にあるわけではないですが、平均タイムで比べてみると、優勝はロシア(RUS)。完走者30人の平均タイムは4時間ジャストでした。

若さか経験か、勝つのはどっち?

年齢グループごとの平均タイムを比べてみましょう。

男女とも「40〜44歳」がトップで、男性の平均が4時間27分26秒、女性は5時間7分25秒でした。

第2位は「45〜49歳」グループ。僅差で「18〜39歳」グループを上回りました。マラソンは若さだけでは走れないのです。

男女のタイム差は、年齢が上がるごとに縮まっていきます。

ネガティブスプリットは100人に1人

ネガティブスプリット(前半より後半のタイムが速い)で走れた人はわずか1.2%、つまり100人に1人でした。

暑さもあり、ほとんどの人が後半ペースを落としてしまいました。

全員のデータをプロットすると以下のようになります。この暑さの中、ネガティブスプリットで走れた人はお見事というほかないでしょう。

ちなみに、大きく外れて下の方にある赤い点は、後半に劇的にペースを上げたことを表しますが、コースをショートカットしたとして、イギリスで新聞記事にもなっています。

www.dailymail.co.uk

ロンドンマラソンでは、中間点付近のタワーブリッジを過ぎたハーフ地点からしばらく対面走行になるのですが、そこでひょいっと折り返してしまったと考えられます。

参考にした記事

今回、大都市マラソンの市民ランナーの分析をしたページはないかといろいろ検索した結果、2017年のロンドンマラソンについて分析したMediumの記事を見つけ、大いに参考にさせてもらいました。

medium.com

ロンドンマラソンのウェブサイトには、各ランナーの5kmごとのスプリットタイムも公開されているので、ペース変動など、もう少し詳しく分析できたらいいなと考えています(上のMediumの記事にはそれがあります)。

まとめ

ロンドンマラソン2018の市民ランナーの完走者40,213人について、参加者の年齢層や国籍、平均タイムなどについて分析しました。

今回は自分が初マラソンとして走ったこともあり、ロンドンマラソンについていろいろ調べてみましたが、次は東京マラソンなど他のマラソンについても見ていきたいです。