2018年4月22日に行われたロンドンマラソン。
市民ランナーの完走者40,213人(男性23,724人、女性16,489人)のデータを分析してみるといろいろ見えてきたので、まとめていきたいと思います。
ロンドンマラソンはワールドマラソンメジャーズ(世界6大マラソン。他はニューヨークシティー、ボストン、シカゴ、ベルリン、東京)の一つで、2018年は38回目の開催でした。
4月としては異例の暑さに見舞われ、気温は24.1度まで上昇し、ロンドンマラソン史上最も暑い大会となりました。
国別ランナー数トップ15
今年のロンドンマラソンには126の国と地域からランナーが集まりました。断トツトップは開催国イギリス(GBR)の33,858人。厳密に言うと恐らくこれはイングランドだと思われます。ウェールズ(WLS)やスコットランド(SCO)が別カウントされているので。
以下のグラフは、イギリスを除いたトップ15の国々です。アメリカ(USA)が一番多く、804人。中国(CHN)、アイルランド(IRL)、フランス(FRA)、イタリア(ITA)、ドイツ(GER)と続きます。
アメリカが特徴的なのは、女性ランナー(F)が男性(M)より多いことです。(グラフにマウスを合わせると、男女別の人数がわかります。)
日本(JPN)はグラフでは一番右に位置しており、98人(男性65人、女性33人)が完走しています。(私もその一人。。)
ランナーの年齢層は?
ロンドンマラソンの場合、ランナーの年齢そのものは取得できませんが、5歳刻みの年齢グループはわかります。ただし「18〜39歳」だけは1グループにまとめられてしまっています。
では、上と同じ15ヶ国についてランナーの年齢分布を見てみましょう。
グラフで一番右に位置する日本、明らかに年齢層高めです。「18〜39歳」の割合は最も低く13%、そして45歳以上が約8割を占めています。「55〜59歳」「60〜64歳」「65〜69歳」「70歳〜」それぞれのグループの割合が他のどの国よりも高くなっています。
以下のグラフは、何%のランナーがそれぞれの年齢グループに属するかを、男女別に示したものです。
男性は半分弱、女性は半分以上が「18〜39歳」グループに入っています。
男女別の平均タイムは?
ここでは、平均タイムではなく、真ん中の順位の人のタイムを見てみましょう。結果は、男性が4時間32分17秒、女性が5時間11分3秒でした。
10分刻みでプロットしてみると下のグラフのようになります。男性は4時間〜5時間、女性は4時間半〜5時間半くらいがボリュームゾーンになります。
男女とも3時間50分台のところに尖った山が現れているのは、多くの人がサブフォーを達成するために最後の力を振り絞った証でしょう。
国別団体戦、優勝は?
10人以上完走者がいる国を、左からトップタイムが速い順に並べ、平均タイムも表示しました。
国別団体戦というものが公式にあるわけではないですが、平均タイムで比べてみると、優勝はロシア(RUS)。完走者30人の平均タイムは4時間ジャストでした。
若さか経験か、勝つのはどっち?
年齢グループごとの平均タイムを比べてみましょう。
男女とも「40〜44歳」がトップで、男性の平均が4時間27分26秒、女性は5時間7分25秒でした。
第2位は「45〜49歳」グループ。僅差で「18〜39歳」グループを上回りました。マラソンは若さだけでは走れないのです。
男女のタイム差は、年齢が上がるごとに縮まっていきます。
ネガティブスプリットは100人に1人
ネガティブスプリット(前半より後半のタイムが速い)で走れた人はわずか1.2%、つまり100人に1人でした。
暑さもあり、ほとんどの人が後半ペースを落としてしまいました。
全員のデータをプロットすると以下のようになります。この暑さの中、ネガティブスプリットで走れた人はお見事というほかないでしょう。
ちなみに、大きく外れて下の方にある赤い点は、後半に劇的にペースを上げたことを表しますが、コースをショートカットしたとして、イギリスで新聞記事にもなっています。
ロンドンマラソンでは、中間点付近のタワーブリッジを過ぎたハーフ地点からしばらく対面走行になるのですが、そこでひょいっと折り返してしまったと考えられます。
参考にした記事
今回、大都市マラソンの市民ランナーの分析をしたページはないかといろいろ検索した結果、2017年のロンドンマラソンについて分析したMediumの記事を見つけ、大いに参考にさせてもらいました。
ロンドンマラソンのウェブサイトには、各ランナーの5kmごとのスプリットタイムも公開されているので、ペース変動など、もう少し詳しく分析できたらいいなと考えています(上のMediumの記事にはそれがあります)。
まとめ
ロンドンマラソン2018の市民ランナーの完走者40,213人について、参加者の年齢層や国籍、平均タイムなどについて分析しました。
今回は自分が初マラソンとして走ったこともあり、ロンドンマラソンについていろいろ調べてみましたが、次は東京マラソンなど他のマラソンについても見ていきたいです。