チラックス研究所

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全米オープンテニス、配信するアマゾンに英国国民が怒る3つの理由

イギリスでは全米オープンテニスの放映権を今年からAmazonが取得し、Amazon Primeでライブ配信が始まっている。この記事を書いているのは大会二日目のデイセッションの途中であるが、既にAmazon UKのレビューでは518レビュー中82%が星1つ、「とても残念」「希望なし」などのコメントが多く見られるなど、散々なことになっている。

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なぜか?レビューを読んでみると、理由はだいたい以下の3つに集約されているようだ。

オンデマンド・リプレイ配信がない

イギリスとニューヨークでは5時間の時差があるので、(イギリスでは)真夜中になってしまうナイトマッチはライブで見るのが特に難しく、翌日に見る人も多い。現在、Amazon Primeの全米オープンサイトではリプレイ配信がないため、一部のハイライトを除いて前日以前の試合が見られない。しかも録画もできない。テニスファンはフルマッチ・リプレイを見る人が多いため、これがないのは死活問題。ナイトマッチの多いフェデラーファンからは特に怒りの声あり。

(追記)

正確には、オンデマンドのフルリプレイ配信はある。ただし初日は男子シングルス32試合中1試合しかリプレイ配信されず(イギリスのマレー戦)。上記は大会2日目時点の記述。2日目以降は徐々にカバーされる試合が増えていった。また、アップするのが試合が終わってから時間が経ち過ぎているという声もある。

小規模コートの試合の配信が1つのみ

大きい3つのスタジアムコート(アーサー・アッシュ / ルイ・アームストロング / グランドスタンド)以外にいくつもある小コートの試合は1つしか配信されておらず、かつ自分で選ぶことができない。小コートで自分のお気に入りの選手が試合をしていても、Amazon 側が配信試合として選ばなければ見ることができない。イギリス人選手ヘザー・ワトソンの試合が配信されず、イギリスのテニスファンが激怒していた。

ナビゲーションが不親切

チャンネル(コート)選択の際、誰がどのコートで試合をしているかが表示されていない。SkyやEurosportなどの既存の大手スポーツ中継プロバイダーではサムネイルのそばにそのような情報はあるのが常識であり、どのコートを見るか決める助けになっている。細かいところではあるが、Amazonの技術力では容易にできるであろうことを、なぜやらないのだろうか。このいかにも味気ないコート選択画面で本当に良かったのか。

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そのほか、「画質が悪い」というのも初日のレビューに多かった感想だが、二日目は改善されたとのコメントもある。初日に予想以上のアクセスがあり、キャパシティ不足に陥った可能性がある。 

一方、少数派ではあるが良い点として挙がっているのは「広告がないのは非常に良い」「(元々プライム会員なので)無料なのは素晴らしい」などだ。

Amazonほどの企業でも、ライブでの大規模スポーツイベントの中継では経験不足の一面を見せており、このような前途多難な船出となった。しかし、おそらくAmazonはすぐに問題点を改善してくるのではないだろうか。それだけの資金とマンパワーは容易に確保できるであろうし、なによりスピード感が売りの会社だ。昔はよくわからない通販サイトだったが、多くの人にとってもうなくてはならないものになってしまったように、スポーツ中継の分野でも勢力を伸ばしてくるのは間違いないだろう。なお、Amazonはイギリスでの全米オープン放映権を今後5年間持っており、2019年からはグランドスラムに次ぐ規模のマスターズ1000の大会の放映もスタートさせる。Amazonは本気だ。