チラックス研究所

チラックスを目指すブログ。ウィンブルドン、ランニング、外から見た日本、海外生活、書評などについて。

食事、運動よりも、健康のためにはまず寝ろ:睡眠こそ最強の解決策である、マシュー・ウォーカー

睡眠こそ最強の解決策である

まず、一番大事な部分を引用します。

食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠である

大切なことなので、もう一度繰り返します。

食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠である

くどいですが念のため、もう一回だけ心の中で復唱して胸に刻んでください。

食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠である

この記事で言いたいことは以上です。さぁ早く寝ましょう。

ざっくりとした本の内容の紹介も一応

まだ眠くない?

ではもう少し続けます。

著者は、睡眠を専門とするイギリス人科学者で、ロンドンで神経生理学の博士号を取った後、ハーバード大を経て、現在はカリフォルニア大学バークレー校の教授を務めています。本の内容は科学的な根拠に基づいていて、比較的信用できると思います。

もちろん世界のほとんどの人の発言は、多かれ少なかれポジショントークが入るので、常に批判的な目を持って世の中の情報に接することが大切です。そんな中で、世に出てくる言論のうち、科学的な承認プロセスを経た情報というのは、相対的に信用できる部類に入ると思います。

何より「睡眠」という誰もが経験豊富なものがテーマなので、自分の経験と照らし合わせて判断することができるのではないでしょうか。

さて、この本では「睡眠時間が6時間か7時間を下回る状態が長く続くと、免疫機能が衰え、ガンのリスクが2倍にもなる」とか、「この1世紀の間で睡眠時間がもっとも大幅に減少した国々(アメリカ、イギリス、日本、韓国および西欧諸国)は、うつ病などの心身の病気がもっとも増えている国でもある」というような話が出てきます。睡眠不足の恐ろしさをあらゆる角度から再認識させてくれます。

一言で言うと、冒頭に述べたように「たくさん寝ろ」というシンプルな正義を全力で肯定する本です。僕はこの主張に対しては昔から大賛成だったので、なるほどなるほど!ガッテン!と思いながら読んでました。本を読んだ後、睡眠の質をさらに上げるべく生活の仕方をちょっと変えたので、3つほど紹介します。

寝る前に家の中を暗くするようになった

まず、寝る前の1時間ほど、なるべく家の中を暗くするようにしました。電気を消して風呂に入ることもあります。暗くなると、メラトニンという睡眠を誘発するホルモンが出て、眠くなります。もともと寝つきは良い方ですが、これでさらに寝つきが良くなりました。ベッドに入ったらもう一瞬で眠りに落ちます。

年末年始にロンドンから日本の実家に帰った時に思いましたが、日本の家は明るすぎます。ヨーロッパの家は間接照明が基本なので、日本人基準だと結構暗いです。暗いので夜は眠くなって早く寝てしまいます。これが欧米人の睡眠時間が日本人より長いことの一つの理由かもしれないなと思いました。

風呂のあと、体をある程度冷ましてから寝るようになった

体の芯が冷えると寝つきが良くなるということです。なぜかと言うと、体温が下がることも、睡眠を誘発するメラトニンの分泌には必要だからです。お風呂にゆっくり入るとよく眠れるのは、体が温まったからではなく、出た後に冷えたからなのです。まぁ冷ましすぎると風邪をひくので、ほどほどに。

室温も結構重要で、理想的な寝室の温度は18.3度です。冬にエアコンを付けっ放しだとこれより高いし、消すと低くなるので、なかなか難しい温度ですね。

レム睡眠を大事にするようになった

睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があることは多くの人が知っていると思います。ノンレム睡眠は深い睡眠で、レム睡眠は浅い睡眠です。夢を見るのはレム睡眠の間です。

深い睡眠のが大事だと思ってたのでノンレム睡眠を重視していましたが、実はレム睡眠もノンレム睡眠に劣らないくらい重要で、情報の統合や記憶の定着などに寄与しています。レム睡眠は睡眠の後半にしか現れず、短い睡眠時間だとそもそもレム睡眠がかなり不十分になります。なので、長い睡眠をとってきちんとレム睡眠をしましょう、ということになります。

ちなみに面白かったのが、レム睡眠のときに体が麻痺して動かなくなる理由。これは、夢の内容を実際に行動に移さないようにするためなんですね。

よりよい眠りを獲得できる方法

とにかく睡眠についての情報がたくさん書いてあり、最近疲れが取れないとか、睡眠の質が低い気がしている人には、なんらかのヒントがつかめる良い本だと思います。

いろいろアドバイスが載っていますが、一つしかできないとしたら、「平日、休日にかかわらず、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」というものを実践してほしいそうです。最近これに近い生活をしていますが、なかなか調子よいです。

睡眠こそ最強の解決策である