チラックス研究所

チラックスを目指すブログ。ウィンブルドン、ランニング、外から見た日本、海外生活、書評などについて。

ウィンブルドン2019男子シングルス決勝、フェデラー対ジョコビッチ現地観戦記

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プロローグ

2019年2月、僕はまだロンドンに住んでいた。いつものように仕事から帰ると、一通の郵便が届いていた。ドアの郵便差し込み口から放り込まれたその封筒は、若干よれよれになりながら無造作に床に転がっていた。

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それは、ウィンブルドン2019最終日、センターコートペアチケットの当選通知だった。

正直言って、抽選に応募したことも忘れていた。というのも、毎年申し込んではいたが、5年間当たったことがなかったのだ。6年目で初めての当選だった。

もちろん、ロンドンに住んでいた間、ウィンブルドンには毎年行っていて、センターコートでの観戦も何度もしている。でもそれは、テントと寝袋持参で前日から並んだり、当日早朝から並んだり、要するに The Queue (行列) 経由のものだ。

今回のチケットは意味が違う。「最終日」のチケットなのだ。準決勝以降が行われる大会終盤の4日間、センターコートの当日券は、行列に並ぶ人たちには配分されない。

最後の4日間にセンターコートで試合を観戦したいと思ったら、抽選以外は例えば以下のルートがある。

  • お金を持っている(ディベンチャー専用チケット、ホスピタリティーチケット)
  • 何かの分野で著しく秀でている(ベッカム、松山英樹、ヒュー・グラント、ジュード・ロウ、エマ・ワトソンなど)
  • イギリス王室である(ウィリアム王子、キャサリン妃など)

要するに、一般人にはほとんどノーチャンスなので、最終日のチケットに抽選で当たるというのはとんでもなく貴重なことなのだ。

抽選の応募方法をはじめ、その他のチケットの取り方などについても、これらの記事にまとめてある。

当時の興奮のツイートがこちら。

抽選で当たると言っても、当たったのは「定価でチケットを買える権利」なので、僕はすぐさまペアチケット代450ポンド (約6万5千円) をカード決済した。

日本への帰国

かねてからの予定通り、4月に日本へ帰国した。一時的なものではなく、引っ越しだ。

日本での出勤初日、僕は上司に「ウィンブルドン決勝のチケットを持っているので、その前後は絶対に休む必要がある」旨を伝えた。快く了解してくれたことを感謝している。

僕はフライトを予約し、宿を提供してくれるイタリア人の友人に連絡をとった。

嬉しい報せ

2018年中、ウィンブルドンのチケット抽選の応募方法をまとめて記事にしていた。それを見て応募し、見事に当選した方がいて、連絡をくれていた。しかも複数人だ。中には当選したペアチケットの一枚を譲ると申し出てくれた人もいたが、今回の渡航スケジュールとは合わず、泣く泣くお断りした。

また、抽選には外れたが、ヨーロッパに新婚旅行に行く際にどうしてもウィンブルドンに行きたいため、このブログを参考にディベンチャーチケットを購入した方もいた。

些細な情報でも意外に役に立つとわかったのが新たな発見であった。これからもできるだけ情報発信していきたい。

準々決勝:フェデラー対錦織

決勝に向けて余裕を持ってロンドンに到着したので、他の予定の合間を縫って、準々決勝と準決勝を観戦した。

まず準々決勝はパブで。多くのパブではスポーツ中継が流れている。通常はフットボール(イギリスではサッカーと言うと怒られる)だが、この時期は間違いなくウィンブルドンだ。

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錦織は良いスタートを切り第1ゲームをブレークし、そのまま第1セットを奪取。

しかし調子を上げてきたフェデラーが2セット目以降は完璧なプレーを見せ、2、3、4セットを連取し準決勝進出を決めた。錦織はフェデラーのサービスゲームでほとんどノーチャンスになってしまい、なんとかサービスキープを続けたが、寄り切られた格好だ。

錦織ファンであると同時にフェデラーファンでもある僕は、やや残念であるがフェデラーの調子の良さもわかったので、それほど落ち込む事はなかった。

準決勝:フェデラー対ナダル

フェデラー対ナダルの観戦場所として選んだのはセントポール大聖堂の前のパブリックスクリーン。

リクライニングチェアーもあって、快適そのもの。公共の広場なので、当然入場料なんかも必要なく、ぶらっと来てぶらっと帰れる。

さて、ウィンブルドン期間中のロンドンでは、前述のパブだけではなく、いろんなところで試合が見れる。

もちろんテレビ (BBC) でも毎日生中継しているので、家でも見れる。ちなみにこのオープニングの音楽が大好きだ。

試合の方はフェデラーが3-1で勝利。セントポール前の観客の応援は、やはりフェデラーの方が多かった。

決勝:フェデラー対ジョコビッチ

会場では伊達公子さんとすれ違ったり。

試合はウィンブルドンの決勝史上最長の約5時間の熱戦に。ジョコビッチがフェデラーのマッチポイント(しかもフェデラーのサーブで!) を2つ凌いで、5度目のウィンブルドン制覇。

フェデラーのハイライトはこちら。

フェデラーのマッチポイントのときも2回とも、しっかりスマホを構えていたが、どちらもやや中途半端なプレーでマッチポイントを凌がれてしまったのが悔やまれる…。

感想

大坂なおみ全豪オープン優勝を冷静に分析する日本メディアはないのか?

大坂なおみが全豪オープン女子シングルスで優勝し、これで昨年9月の全米オープンに引き続き、グランドスラム(四大大会)2連続優勝となりました。全豪オープン後の世界ランキングでは1位に上り詰め、日本でも連日ニュースを賑わせていたと思います。

さて、テニスは世界中の人が見ているスポーツなので、当然日本以外でも大きく報道されています。その中で、イギリスのエコノミスト誌が優勝の2日後に大坂なおみについての分析記事を掲載しました。

www.economist.com

英エコノミスト誌は、ビジネスパーソンも多く読む週刊新聞で、国際政治、経済を中心に、科学技術、スポーツ、芸術なども取り上げています。要するにまともなメディアです。

記事の内容は、Dominance Ratio (DR、試合の支配率) などを用いて偉業を冷静に分析するもので、なおみ時代の到来可能性についても考察しています。2018年のなおみのDRはセリーナ・ウィリアムズに次ぐ数字で、前ランク1位のハレプよりも上でした。若さに加え、プレーに向上の余地が十分あることなどから、総じてポジティブな見方をしています。

著者は Jeff Sackmann 氏で、エコノミスト誌の専属記者ではなく、テニスのデータ分析サイト Tennis Abstract を主宰している人です。エコノミスト誌への寄稿は大坂なおみのこの記事だけでなく、過去にも多くあります。種々のデータ分析の結果はブログで公開しており、ポッドキャストもやっています。要するにテニスデータについては相当詳しいです。

テニスのコアなファンではなくても、エコノミスト誌の一般読者はこの記事を目にすることができ、読めばテニスというスポーツの深みに触れることができます。これはとても恵まれたことです。

エコノミスト誌と提携している読売新聞も、なおみが「カツ丼を食べたい」と言ったことを報道している場合ではなく、この記事の和訳を載せてほしいものです。日本のメディアは、スポーツの世界で彼女が成し遂げてきた事がどんな価値があるのか、正面から取り扱ってほしいと思います。

日本では、まともなメディアと言われる大手新聞社でも、ときにワイドショー的な下世話なネタに走る傾向があります。視聴者、読者がそれを期待していることの裏返しかもしれませんが、残念なことです。

まとめると、スポーツに関する深いデータ分析が「一般誌」のエコノミスト誌に載っていて、それは広くスポーツ文化の醸成に役立っているのではないか、という感想でした。日本もそうなるといいなと思っています。

日本では今のところ、「スポーツ総合雑誌」ナンバーがその役割を担っているのかと思われますが、一般誌ではないので最初からスポーツ好きの人しか読まないし、コンテンツが人間ドラマに寄りすぎな傾向があるかなぁという気がしています。

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英エコノミスト誌、大坂なおみの記事

ウィンブルドン2019、チケット抽選応募方法、画像付き解説

更新:2018年12月4日(いただいた質問に回答しました。記事の一番下に追記。)

この記事では、日本からウィンブルドン2019のチケット抽選に応募する方法について、具体的な方法を解説していきます(2019のチケット抽選の概要については前回の記事を参照)。

応募期間は、2018年12月1日午後6時から、12月16日午前8時59分(いずれも日本時間)までです。

応募ページへのアクセスと注意事項の確認

まず、ウィンブルドンの公式サイトの海外からの抽選応募ページにアクセスします。

「APPLY NOW」をクリックします。

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注意事項が出てくるので、よく読みます。

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大事な点をまとめておきます。

  • 自分で入力してね。誰かが代わりにやるのはダメ。
  • 自宅の住所を使うこと。別荘や職場の住所はダメ。
  • 応募は一世帯で一つだけ。この応募で当たるチケットは2枚
  • 応募した後すぐにEメールが届くので、24時間以内に確認のクリックをすること。
  • 当選者は、試合当日に会場でチケットを受け取る。郵送はされない。
  • チケットは譲渡・売却不可。行けなくなったらチケットオフィスに連絡を(返金されます)。
  • グッドラック!

応募フォームへの入力方法

さぁ実際に入力していきましょう。スクロールして行くと、下の方が入力フォームになっています。

まずは、Eメールアドレスを、間違えないように注意して、2回入力します。

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次に名前の入力です。

Title をプルダウンから選びます。男性ならMr、女性ならMsでよいでしょう。ちなみに、イギリス英語では、ピリオドをつけないのが普通です(Mr. とかにならない)。

First name は、名前です。(例:Kei)

Surname は、苗字です。(例:Nishikori)

車椅子スペースが必要な方は Yes 、不要な方は Noを選びます。

 

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次は住所と電話番号。

Country of residence は居住国なので、Japan を選択します。

Country code は国際電話の国番号ですが、上でJapan を選択すると +81 と自動で出てきます。

Contact telephone に電話番号を入力します。電話番号が090-1234-5678の場合は、最初の0を取って,「9012345678」と入れます。

仮に、住所が「〒123-4567 東京都千代田区錦織 1-2-3 ダンテハウス 374号室」と仮定して話を進めます。

Postcode / Zipcode には、郵便番号を入れます。
(例:1234567)

Address line 1 には、住所の後半部分を入れます。
(例:374 Dante-House, 1-2-3 Nishikori)

Address line 2 には、line 1 に入りきらなかった部分を入れます。何も入れなくてもOKです。

City / Town には、市町村区名を入れます。
(例:Chiyoda-ku)

State / Province / Region には、都道府県名を入れます。
(例:Tokyo ) 

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人間であることを示すために、画像を見て質問に答えます。ランダムに出てくるはずですが、以下の例では、左から二番目(second)の画像は何か聞かれているので、ストロベリーを選択します。

聞かれるのは、左からfirst(一番目)、second(二番目)、third(三番目)、forth(四番目)のどれかだと思います。

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各種条件にチェックを入れます。最初の二つは必須で、三つ目はEメールでお知らせが来るかどうかなので、チェックしておいてもよいでしょう。 

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もう一度入力内容が正しいかを確認して、「SUBMIT APPLICATION」をクリックします。

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Eメール確認まで忘れずに!!

まだ終わりではありません。すぐにEメールを確認してください。

このようなEメールが届いているはずなので、必ず「2019 Overseas Ballot Entry Confirmation」をクリックしてください。

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最後にもう一通Eメールが届くので、受信を確認してください。

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これでめでたくチケット抽選への応募が完了となります。

当選者には、2019年1月下旬以降にEメールが届くので、祈りながら待ちましょう。

もし外れても心配いりません、当日券があります。

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絶対に前もってチケットを確保したいという心配性の方は、貯金を下ろして前売り券を検討しましょう。

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追記:よくある質問

いくつか質問をいただいたので、答えます。

Q:チケットは無料で当たるんですか?

A:応募の段階では、お金を払う必要はありません。もし当選したら、期限内に代金を支払うことで、チケット獲得となります。

支払う代金はチケットの定価で、コートや大会何日目かによって変動します。定価は公式サイトのこのページに載っています。イギリスの通貨はポンドです。今は1ポンド145円くらいなので、145倍すると円でいくらかがわかります。

どうしても行けないことがわかっていてチケットが不要の場合は、そのまま放置すれば自動的に権利放棄となり、お金はかかりません。でもこれはもったいない!当たったなら是が非でも行きましょう。

Q:日にちは選べますか?

A:選べません。当たった場合、たとえば「第3日目のセンターコート2枚」「第7日目のNo. 1コート2枚」というような感じで、Eメールで連絡が来ます。

Q:家族でない人と一緒に行っても大丈夫でしょうか?

A:大丈夫です。あくまでも同一住所からの応募が一つ、というルールなので、当たった本人は行くの必須ですが、あと一人は誰でも問題ありません。

ただ、やむを得ぬ理由があれば、当たった本人すら行かなくても大丈夫かもしれない?という例を2017年に実際に経験したので、紹介します。

その年は友人がチケットに当たったのですが、彼女は子どもが生まれたばかりで観戦に行けないということで、大のテニスファンである僕にチケットを譲ってくれました。

当日の入場時に係員にチケットをスキャンされ、これはお前ではないじゃないか、と若干怪しい雰囲気になりましたが、携帯のメッセージのやり取りを見せたりして事情を説明して、なんとか入場を許可されました。危うくフェデラーのセンターコートでの準々決勝の試合が見れなくなるところだったので、ヒヤッとしました。

チケットは譲渡禁止なので、厳密にはアウトですが、ダフ屋から買ったなどの明らかな不正ではないので、見逃してくれたのだと思います。

入場時のチケットのスキャンは、全員がされるわけではないので(通常見せるだけ。ランダムでチェックがある)、ちょっと運が悪かったのですが、見た目の怪しいアジア人ということで、ターゲットになってしまったのかもしれません。

一般化すると、「チケットが当たった〇〇さんは、急に体調が悪くなって来れなかったので、友人である私が譲ってもらった」などと言えば、切り抜けられるのではとも考えられます。

推奨はしませんが、手あたり次第に友人にチケット応募を手伝ってもらうというのは、ありかもしれません。ただし、別記事にも書きましたが、チケット行列でもそうですが、年々不正に対して厳しくなっています。自己責任でお願いします。

Q:当たったら一緒に行く予定の友達にも、応募してもらっても大丈夫でしょうか?

A:大丈夫です。同居していない友達なら、ぜひ応募してもらいましょう。

ウィンブルドン2019、チケット抽選応募方法(日本から)

更新:
2018年12月1日(具体的な応募方法を説明した記事へのリンクを追加)
2019年1月14日(抽選応募期間が終わったので、記事を再構成)
2019年2月19日(最終日センターコートチケット、当たったぞ!を追加)

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2018年の全米オープンは、大坂なおみの見事な優勝、錦織圭のベスト4など、日本テニス界にとって大きなマイルストーンとなりました。

興奮冷めやらない中ですが、2019年のウィンブルドンのチケット抽選への応募方法が公式ページで発表されているので、概要をまとめておきます。公式ページはこちら(英語)

最も歴史のあるグランドスラム(四大大会)であるウィンブルドン。その観戦へ向けて第一歩を踏み出しましょう。

オンライン抽選、応募期間は2018年12月1日〜15日

日本からは、海外在住者用のオンライン抽選に申し込むことになります。以下、このオンライン抽選についての説明です。

  • イギリス、チャネル諸島、マン島以外に住んでいる人が応募できる(日本からもOK)。
  • エントリーフォームをオンラインで記入。
  • 応募期間は、2018年12月1日から15日まで
  • 2019年10月まで有効なEメールアドレスが必要。
  • チケット当選者には、2019年1月下旬以降にお知らせが来る。
  • 最初の抽選で落選しても、当選者に辞退者が出た場合に再度行われる抽選に自動的に回される(ので、すぐにメールが届かないからと諦めてはいけない)。
  • 当選者は、試合当日に会場でチケットを受け取る。郵送はされない。

差し当たり、12月1日から15日に忘れずに応募できるよう、カレンダー、手帳などにメモっておきましょう!

追記:12月1日になったので、具体的な方法を解説する記事を書きました。

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イギリス在住者はどうやって応募するの?

イギリス在住の人は、郵送を利用する古典的な方法で応募する必要があります。

2018年9月1日から応募フォームの配布が始まっています。フォームを送ってもらうために、12月15日までに空の封筒をウィンブルドンに郵送しなくてはなりません。

フォームに記入して、12月31日までに返送します。

注意する点など、詳しくは以下の過去記事に書いてあるので参考にしてください。

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どちらの方法にしても、まずは応募するところからです。人事を尽くして天命を待ちましょう。

抽選に応募し忘れた、あるいは外れてしまった場合は?

もし外れても、当日券という最終手段があります。ウィンブルドンでは他のグランドスラムと異なり、公式の当日券が一定数確保されています。しかも、当日券に割り当てられる席はコートから一番近い素晴らしい場所です。当日券についてはこちらの記事にまとめてあるので参考にしてください。

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追記(速報):最終日センターコートチケット、当たったぞ!

2019年2月18日、家に帰るとポストコード(郵便番号)SW19から郵便が。SW19と言えばウィンブルドンの会場がある場所です。

まさかと思いつつ中身を見てみると。。。

なんと、最終日のセンターコートチケット(2枚)、当たりました!!!!!(注:定価で購入する権利)

別記事を立てようと思うのでここでは取り急ぎ。

全米オープンテニス、配信するアマゾンに英国国民が怒る3つの理由

イギリスでは全米オープンテニスの放映権を今年からAmazonが取得し、Amazon Primeでライブ配信が始まっている。この記事を書いているのは大会二日目のデイセッションの途中であるが、既にAmazon UKのレビューでは518レビュー中82%が星1つ、「とても残念」「希望なし」などのコメントが多く見られるなど、散々なことになっている。

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なぜか?レビューを読んでみると、理由はだいたい以下の3つに集約されているようだ。

オンデマンド・リプレイ配信がない

イギリスとニューヨークでは5時間の時差があるので、(イギリスでは)真夜中になってしまうナイトマッチはライブで見るのが特に難しく、翌日に見る人も多い。現在、Amazon Primeの全米オープンサイトではリプレイ配信がないため、一部のハイライトを除いて前日以前の試合が見られない。しかも録画もできない。テニスファンはフルマッチ・リプレイを見る人が多いため、これがないのは死活問題。ナイトマッチの多いフェデラーファンからは特に怒りの声あり。

(追記)

正確には、オンデマンドのフルリプレイ配信はある。ただし初日は男子シングルス32試合中1試合しかリプレイ配信されず(イギリスのマレー戦)。上記は大会2日目時点の記述。2日目以降は徐々にカバーされる試合が増えていった。また、アップするのが試合が終わってから時間が経ち過ぎているという声もある。

小規模コートの試合の配信が1つのみ

大きい3つのスタジアムコート(アーサー・アッシュ / ルイ・アームストロング / グランドスタンド)以外にいくつもある小コートの試合は1つしか配信されておらず、かつ自分で選ぶことができない。小コートで自分のお気に入りの選手が試合をしていても、Amazon 側が配信試合として選ばなければ見ることができない。イギリス人選手ヘザー・ワトソンの試合が配信されず、イギリスのテニスファンが激怒していた。

ナビゲーションが不親切

チャンネル(コート)選択の際、誰がどのコートで試合をしているかが表示されていない。SkyやEurosportなどの既存の大手スポーツ中継プロバイダーではサムネイルのそばにそのような情報はあるのが常識であり、どのコートを見るか決める助けになっている。細かいところではあるが、Amazonの技術力では容易にできるであろうことを、なぜやらないのだろうか。このいかにも味気ないコート選択画面で本当に良かったのか。

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そのほか、「画質が悪い」というのも初日のレビューに多かった感想だが、二日目は改善されたとのコメントもある。初日に予想以上のアクセスがあり、キャパシティ不足に陥った可能性がある。 

一方、少数派ではあるが良い点として挙がっているのは「広告がないのは非常に良い」「(元々プライム会員なので)無料なのは素晴らしい」などだ。

Amazonほどの企業でも、ライブでの大規模スポーツイベントの中継では経験不足の一面を見せており、このような前途多難な船出となった。しかし、おそらくAmazonはすぐに問題点を改善してくるのではないだろうか。それだけの資金とマンパワーは容易に確保できるであろうし、なによりスピード感が売りの会社だ。昔はよくわからない通販サイトだったが、多くの人にとってもうなくてはならないものになってしまったように、スポーツ中継の分野でも勢力を伸ばしてくるのは間違いないだろう。なお、Amazonはイギリスでの全米オープン放映権を今後5年間持っており、2019年からはグランドスラムに次ぐ規模のマスターズ1000の大会の放映もスタートさせる。Amazonは本気だ。

ウィンブルドン、お手軽に行列に並んで当日券をゲット(テント不要)

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前回の記事では、主にテントを持って泊まりで並ぶノウハウを紹介しました。

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テント泊はちょっと。。。という方も多いでしょう。大丈夫です!泊まりで並ばなくても十分楽しめる方法があります。言わずもがな、当日行って並ぶという方法です。朝から行く場合と、夕方から行く場合があります。

一方で、お昼前後に行くのはおすすめできません。ウィンブルドンでは毎日、朝の時点で会場の定員に達します。その後は、帰った人の分しか新たに入場できないので、行列の進みは極端にのろくなり、待ち時間がかなり長くなります。なので、朝、定員に達する前に到着するか(目安:キュー・カードで6000〜6500番より前)、帰る人が増えて人の入れ替えがスムーズになる夕方から行くのがおすすめです。

【基本】朝から行く

日にもよりますが、1週目なら朝6時頃までにはウィンブルドン・パークに到着しましょう。何時までに到着すればよいか?をさらに正確に見積もるには、行列準備編に載せたTwitterアカウントを参考にしましょう。

泊まりではないのでテントはいりませんが、レジャーシートは持っていった方がよいでしょう。

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暇つぶしグッズも忘れずに。下の写真では刺しゅうをしていますね。

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以下の記事は、実際に当日の朝から並んで錦織戦を観戦したときの記録です。流れがわかるかと思います。

www.chillaxlab.com

この日は、Groundチケット(No. 3コート以下全コートが観戦可能)を入手して入場した後、リセールチケット制度を利用してNo. 1コートのチケットを入手しました。

リセールチケットとは?

ウィンブルドンでは、既に帰った人のチケットが15時から低価格で再販売(リセール)されます。このシステム運営のため、帰る時に出口でチケットがスキャンされます。なお、リセールチケットの売り上げは全てチャリティーに寄付されます。

リセールチケット売り場は、以下の地図で18番コートのちょっと上、「TICKET RESALE」と書いてあります。

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リセールチケット売り場の外観です。まぁただの小屋ですね。向かって左上の方にはBBCのテニス番組の屋外スタジオがあり、ジョン・マッケンローやボリス・ベッカーがいたりします。

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Groundチケットで観戦可能なNo. 3コート以下だけでも十分楽しめますが、リセールチケットを入手することでShowコート(センター、No. 1、No. 2)の試合も観れます。

【超お手軽】夕方から行く

試合数のまだ多い第1週の前半などは、

・17時くらいにThe Queueに到着して並び
・18時くらいに入場
・21時くらいまでウィンブルドンを楽しむ

ということができます。ディズニーランドのアフター6パスみたいな感じですね。17時以降はGroundチケットが安くなります。イギリスの夏は日が長いので、21時くらいまで試合が行われています。1週目は試合数も多いので、No. 3コート以下でも有名選手のプレーを観ることができます。 

2017年の初日は夕方から行きました。そのとき観たカルロビッチ@No. 3コート。超でかい…(身長2m11cm)。

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リセールチケットを購入することで、Showコート(センター、No. 1、No. 2)の試合も十分観戦可能です。夕方から行くという選択肢は、ウィンブルドンをお手軽に楽しむのに最適かと思います。

この日は、リセールチケット売り場に並んでから10分くらいでセンターコートのリセールチケットを入手でき、ワウリンカ戦を観れました。負けましたが。

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The Queue(行列)について、さらに詳しい情報

ウィンブルドン生観戦については、僕も相当詳しいと自負していましたが、この一連の記事を書く際に、自分より明らかにウィンブルドン経験値の高い方を見つけたのでここにリンクを紹介します。情報量も多いので参考になると思います。

ウィンブルドンテント行列体験記2017-2018

この方は、初日から2週目水曜日の男子準々決勝の日まで、観戦→テント泊を繰り返し、センターコートのチケットを入手し続けています。前売りチケットがなくてもここまでできる!と勇気づけられます。

テニス写真も素晴らしいです。

おもしろテニスクラブ

おまけ:ある行列参加者の記録

1週目に5日連続で並んで毎日観戦してたイギリス人男性

「本当に素晴らしい一週間だった!今週は睡眠時間より並んでた時間のが長かったよ。でもその並んでた一分一秒が愛おしい思い出だよ(意訳)」

まとめ

全5回のシリーズ記事による、ウィンブルドン・チケットの取り方の解説は以上です。少しでもウィンブルドン観戦のハードルを下げられたら嬉しいです。

以下のどの方法でもよいので、ウィンブルドンのチケットを入手して、生観戦しよう!

お高い前売り券(第1回の記事
・Debentures (債券保持者向けチケット):時価。確実だが高い。
・Hospitality (ホスピタリティチケット):確実だが高い。優雅な経験ができる。

定価の前売り券(第2回の記事
・Ticketmaster (公式オンライン販売):一瞬で売り切れる。
・The Public Ballot (抽選):定価だがなかなか当たらない。

定価の当日券(準備編実践編、お手軽編(この記事))
・The Queue (行列):並びさえすれば良い席が定価で買える。オススメ!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

役に立った!面白かった!まぁ悪くはない、など、なんらかプラスの感想が生まれたら、ぜひ記事をシェアしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

ウィンブルドン錦織vキリオス現地観戦記 10時間並んだその先に

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2018年7月7日(土)朝4時半、ウィンブルドンの当日券を求めて並ぶ行列、The Queue(列という意味)に到着。場所はウィンブルドンパーク、テニス会場の向かいの公園だ。順番は2590番、入場には問題のない番号だ。この日のロンドンの日の出時刻は4時52分、到着時はかなり明るくなっていたが、若干肌寒い。

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6時半ごろの写真、右側に少し見えるテントは前日夜からの宿泊組の最後尾、左大部分は当日到着組。6時ごろからテントの片付けが始まる。当たり前だけど、基本みんな楽しそう。K7というのは列の番号で、K1からK10まである。

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8時ごろから列が動き始め、のろのろとウィンブルドンパークからゴルフ場を通り、テニス会場へと移動する。

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10時半、当日券売り場に到着し、チケットを購入していよいよ入場。ちなみに10時半というのは各コートへのアクセスが解禁される時刻。

2590番の順番ではショーコート(センター、No. 1、No. 2)のチケットは手に入らず、ここで買ったのはグラウンドチケット(No. 3コート以降の試合が観れる)。錦織戦@No. 1コート観戦のためには、後述のリセールチケット販売でもうひと頑張りが必要。

グランドチケット、25ポンド(約3600円)。

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さて、我々が真っ先に向かったのはお土産が売っているショップ。実は今年のウィンブルドンには初日にも来ていて、その時に買ったマグカップが割れていたので交換しなければならなかったのだ。

無事に交換してお土産も買い足すと、次に向かったのはNo.1 コート脇に今年新しくできた休憩所。いきなり昼ご飯(サンドウィッチ+イチゴ)で栄養補給。ウィンブルドンといえばイチゴなんで。綺麗な写真を撮り忘れたため最後の一個。

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既にかなり暑く、朝早くから並んで疲れていたので休んで体力を温存。ジュニアの試合は始まっていたがそこは諦めた。この日は長丁場になったのでこの判断は正しかった。

12時ごろ、リセールチケット売り場へ。ウィンブルドンでは既に帰った人のチケットが15時から再販売される。このシステムのため、帰る時に出口でチケットをスキャンするのだ。

もう既に100人近く並んでいたので、最後尾へ。スチュワード(係員)に「当分無理だからハイレベルなテニスを観て、17時ごろまた来た方がいいよ」と言われたが自分の経験を信じステイ。結果的に16時にはNo. 1コートのチケットが手に入ったのでこの判断も正しかった。

炎天下の中、だらだらと待つ。この国の人は日傘は持っていない。さしているのは普通の傘である。イギリス人が普通の傘を日傘代わりに使ってしまう、それほど暑かった。

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リセールチケット売り場は18番コート脇なので、そこで行われていたシモンvsエブデンを覗き見したり。写真はエブデン。

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待つこと4時間、16時頃、No. 1コートのリセールチケットをゲット。リセールチケットは安く、10ポンド(約1450円)。本チケットに比べると随分と簡素な作り笑

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冷たい飲み物を買って、大坂なおみvケルバーの試合をヘンマン・ヒル(マレー・マウント)で観戦。No. 1コートの外には大スクリーンがある。

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残念ながら負けてしまった。ケルバーのサーブが良く、集中してしっかり大坂なおみの良さを封じていた印象。

しばらくするとスクリーンに「W杯イングランドチーム、勝利おめでとう!ウィンブルドンにいる皆より」との粋なメッセージが出て大歓声が上がる。この日はW杯準々決勝イングランド対スウェーデンが行われていた。

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17時、満を持してNo. 1コートに入る。するとすぐにズブレフvグルビスの第2セットをズブレフが取って1-1に。白熱した試合で非常に面白いのだが、長引き過ぎて次に控える錦織戦が他のコートに移されてしまうと笑うに笑えない。4セットで終わってくれ…

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観客の声援は半々くらいか、アンダードッグのグルビスが若干多いかという感じ。第3セットを取って2-1とリードしたズブレフを全力応援するも、第4セット終盤でエネルギー切れし、ファイナルはベーグルを焼かれ(つまり、0-6で)、なんとズブレフ敗戦。

小休止して外へ。ヘンマン・ヒルは地元のエドモンドvジョコビッチの試合をスクリーンで見る人でいっぱい。

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観戦のお供はピムス。イギリスの夏といえばこれ。関係ないけど、環境に配慮した紙ストロー、最近かなり増えてきた。これもそう。

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錦織戦開始は19時半。まだまだ明るいがこの日の日没時刻である21時17分に向かってだんだん暗くなってゆく。果たして試合は終わるかとハラハラしながら応援していると、錦織が素晴らしいテニスで第1セット先取。フェデラーもびっくりのわずか16分笑

第2セットタイブレーク、20時半くらいの写真。このセット取れたのは大きかった。まだ全然明るいけど、あと1セットが限界だろう。

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第3セットはキリオスのサービスゲームではノーチャンスが続いていたが、自分のサービスゲームもしっかりキープし迎えた第10ゲーム、サーブをことごとく返し、0-40のトリプルマッチポイントのチャンス。これは逃したが諦めず、4度目のマッチポイントで決めた!

観客は7対3くらいで錦織寄りだったように感じる。

帰り際、ちょうど日没の時刻の写真。まだこのくらいは明るい。

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本人曰く芝サーフェスでの生涯最高の試合、生観戦できて良かった。

p.s. これまで数年のノウハウを詰め込んだ、ウィンブルドン・チケット取り方まとめシリーズ(全5回)もどうぞ!

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ウィンブルドン、行列に並びプレミアチケットを入手する方法、実践編

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第3回 当日券・行列準備編に引き続き、テントを張って並ぶ場合について流れを見ていきます。テント泊はちょっと。。。という方も、写真が多くてあまり文字数はないので、サクッと目を通してもらえると参考になるかと思います。

どこに行けばよい?

まず、テントなど全ての荷物を持ってウィンブルドン・パークへ行きます。始発電車が動く前に到着したい場合は、ミニキャブ(予約タクシー)を使うと良いでしょう。僕がいつも使うのはFairway & Kenwood です。事前に場所と時間を指定して予約すると、確実に来てくれます。普通のタクシーやUBERも早朝でも全然走ってるので問題ないですが、ミニキャブだと時間が読めるので安心です。

公園の入り口は以下の地図のピンなので、目的地はここを指定します。

goo.gl

ちなみに地下鉄の最寄駅はSouthfields駅です。Wimbledon駅でもWimbledon Park駅でもないので注意。特にWimbledon駅は徒歩では全然無理なほど遠いです。

並び始めよう

公園に着いたら行列の最後尾に行き、スチュワード(係員)の指示に従ってテントを張ります。最後尾はQという大きな旗が目印です。

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列に入るのと同時にQueue Card(キュー・カード=行列内の順番を示すカード)が配られるので、忘れずに受け取り、かつ翌日チケットを買うまで失くさないようにしてください。

※ただし、例えばDay 3の観戦のためにその前日から並ぶ場合、Day 3の列がまだ分離されていない時は、まずDay 2の列に入り、Day 2のキュー・カードを受け取ります。その後、Day 3の列が分離し、Day 3のキュー・カードと交換するタイミングが来ます。

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上の写真は2018年大会初日(月曜)のキュー・カードですが、前日(日曜)朝5時から並んで691番でした。500番に入れず、初日のセンターコート観戦はこの時点でかなり厳しくなりましたが、No. 1コートなら問題ない順番です。

2017年以前は前日の日曜早朝から並ぶこと(テント1泊)で初日センターコートを確保できていたのですが、2018年は第1試合が前年優勝者のフェデラーということもあり、大量のフェデラーファンが押し寄せた結果、テント2泊が必要だったようです。フェデラーの人気は群を抜いています。

ちなみに下の写真は2016年に並んだときのもので、上の写真は2018年です。芝生に注目してください。2018年は(イギリスにしては)暑すぎる日が多くて芝生が枯れてしまっています。

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列を抜けても大丈夫?

トイレに行ったり軽食を買いに行ったりして列から抜けるのは、公式ルールでは30分以内ならOKです。感覚的には1時間くらいは大丈夫な気がします。

ただ、年々チェックが厳しくなっていて、2018年は長時間抜けてた人はスチュワードにキュー・カードを取り上げられてました。こうなるとまた最後尾から列び直さなくてはいけません。その人たちは「Ridiculous! (ばかげてるわ!)」と行って帰ってしまいました。話を聞いてみると、毎年並んでいて、夕食に抜けるくらいは全然大丈夫だったのに、今年(2018年)は厳格に対処されたようです。

並んでいる公園内にトイレも軽食販売もありますが、他に何か必要になったら最寄りのスーパーSainsbury's(セインズベリー)が歩いて5分くらいの場所にあります。

goo.gl

テントを張って並んでいる時間は、お酒を飲んだり読書をしたり、おしゃべりをしたりキャッチボール(ただしテニスボールやラグビーボールである辺りが英国っぽい)をしたり、芝生の上でみんな思い思いに過ごしています。この雰囲気を味わえるのもThe Queueに並ぶ醍醐味です。

一夜明けて

夜になったらテント内で眠り、翌朝は6時にスチュワードが起こしにきます。それより前に起きてテントを畳み、荷物預け所に持っていくと空いていてスムーズです。テントは5ポンド、それ以外のものは1ポンドで預かってもらえます。

列に再度並び直してしばらくすると、リストバンドが配られます。ここでセンターコート、No. 1コート、No. 2コートのどのチケットを買うか選択します。

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写真:センターコートの購入権利を示すリストバンド

列が徐々に進んでいくので、途中セキュリティチェックも通過しつつ、チケット販売所まで到達します。早くて9時半くらいでしょうか。テントを畳んでからここまでが意外に長く体力を使うので、座れるところでは座るなどして、できるだけ体力を温存しましょう。会場が近づいてテンションが上がってくるので、なかなか難しいのですが。

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チケットを買おう!座席の選び方

行列に並んで買えるチケットはコートサイドで、センターコートの例では以下の図の101〜105、107、109、111〜115です。向かって左側(101〜)に審判と選手ベンチがあります。

101は、選手の出入り口付近なのでサインがもらいやすく人気で、かなり小さい番号のキュー・カードがないと手に入りません。右側(109〜)は見やすいですが、ずっと日に当たるので体力が削られます。左側は日が進むにつれて日陰になります。

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114ブロックからの眺めはこんな感じです。2018年の一回戦、ディミトロフvワウリンカ。日差しがきつかった。

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103ブロックからはこんな感じ。2016年の一回戦、フェデラー。この距離感!一回戦だとまだ芝がはげてなくて綺麗です。

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You Deserve It!

ウィンブルドンがフェアだなと思うのは、苦労して並んで手に入れる当日券に、コートに一番近いエリア(コートサイド)が割り当てられるからです。テレビにもよく抜かれるので、カラフルなリストバンドをつけた人(下のBBCキャプチャー画像だと赤いリストバンド)を探してみましょう。彼らは頑張って並んだ人たちです。

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写真:BBCのウィンブルドン生中継、マレー勝利直後

You deserve it! (報われたね!)

最高の会場で最高のテニスを楽しみましょう!

並んだご褒美、この距離感も可能!サインもらいました。(2015年1回戦勝利後@No. 1コート)

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おまけ:雰囲気をつかむ動画

テントを張って並ぶのがどんな感じかを良く表したYouTube動画がこちらです(僕ではないです笑)。楽しげな雰囲気がわかるかと思います。

彼(Alek)のYouTube動画は筋トレ関係が多いですが、旅や日常生活もあって面白いので他の動画も超オススメです。

ここまでのまとめ

お高い前売り券(第1回の記事
・Debentures (債券保持者向けチケット):時価。確実だが高い。
・Hospitality (ホスピタリティチケット):確実だが高い。優雅な経験ができる。

定価の前売り券(第2回の記事
・Ticketmaster (公式オンライン販売):一瞬で売り切れる。
・The Public Ballot (抽選):定価だがなかなか当たらない。

定価の当日券(準備編、実践編(この記事)、お手軽編
・The Queue (行列):並びさえすれば良い席が定価で買える。オススメ!

 最終回は、泊まりで行くのは無理!という方向けのお手軽行列編です。

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ウィンブルドン、行列に並び当日券を入手するための基礎知識、準備編

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ウィンブルドン・チケット取り方まとめシリーズの第3回からは、「定価の当日券」について見ていきます。前売り券が潤沢な資金か運がないと入手できないのに対し、当日券は誰でも入手可能です。生観戦の一番現実的な選択肢となります。

チケットの取り方の全体像を再掲しておきます。

お高い前売り券(第1回の記事
・Debentures (債券保持者向けチケット):時価。確実だが高い。
・Hospitality (ホスピタリティチケット):確実だが高い。優雅な経験ができる。

定価の前売り券(第2回の記事
・Ticketmaster (公式オンライン販売):一瞬で売り切れる。
・The Public Ballot (抽選):定価だがなかなか当たらない。

定価の当日券(この記事(準備編)、実践編お手軽編
・The Queue (行列):並びさえすれば良い席が定価で買える。オススメ!

この記事(行列準備編)では、

についてまとめていきます。

人気のあるShow コート (センター、No. 1、No. 2コート)の当日券チケットを入手するためは、テント泊が必要になることが多いです。テント泊で実際に行列に並ぶ流れについては、第4回・行列実践編に続きます。

また、第5回・お手軽行列編では、テント泊をしない場合、つまり当日の朝から並ぶ方法について説明します。誰かの大ファンというわけじゃないけど、ウィンブルドンに行ってみたい、という方はこちらの方法がおすすめです。

The Queue(行列)とは

ウィンブルドンは、当日券の販売がある数少ないメジャースポーツイベントです。チケットを求める行列はThe Queue と呼ばれます。Queueは行列という意味で、キューと読みます。

It's not just a queue - it's The Queue.
ただの行列ではない。"The Queue"なんだ。
(公式Twitter @Wimbledon より。日本語は意訳。)

英語の解説になりますが、aとtheの違い、Qが大文字である点がポイントです。a queueだと、「ラーメン屋の行列など行列にもいろいろあるけど、そのうち一つの行列(に過ぎない)」というニュアンスになりますが、 theが付いてQが大文字になると、「世界に一つしかない、しかもみんな知っている"あの"行列」みたいな感じになります。

英語でアメリカをthe United States of Americaと言いますが、それと同じです。アメリカは一つで、みんな知ってますよね。だからtheが付いてstatesのSが大文字なのです。

いきなり余談になり失礼しました。The Queueの様子はこんな感じです。テニス会場横のウィンブルドン・パークに並ぶことになります。天気が良いと最高です。

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当日券として手に入るチケット

当日券として販売されるのは、枚数は公式発表されていませんが、概ね以下のとおりです。カッコ内はそのチケットで観れるコートです。センターからNo. 2までは全席指定席です。

・センターコートチケット500枚(センターコートとNo. 3コート以下全て)
 ※ただしセンターコートは最後の4日間は当日券なし
・No. 1コートチケット500枚(No. 1コートとNo. 3コート以下全て)
・No. 2コートチケット500枚(No. 2コートとNo. 3コート以下全て)
・Groundチケット数千枚(6,000〜7,000か?)(No. 3コート以下全て)

一番人気のセンターコートチケットを入手するためには、前日から並ぶ必要があります(2週目火曜日は例外的に当日早朝でも可能性あり)。しかし、思ってるより大変ではないです。これから詳細を説明していきます。

また、Groundチケットは当日の早朝に行けば間違いなく入手できます。日にもよりますが目安は朝5時〜6時に到着すれば大丈夫です。これでもNo. 3コートからコート18まで見れるので、会場の雰囲気を楽しむことも含めて十分価値があると思います。しかも、リセールチケットでセンターコートに入れる可能性もあります(リセールチケットについては、お手軽行列編の記事で触れます)。

リアルタイム情報源(Twitter)

The Queueのリアルタイム情報を発信してくれているTwitterアカウントがあるので、フォローしておきましょう。以下の2つです。すごく役立ちます。

https://twitter.com/ViewFromTheQtwitter.com

twitter.com

「○○日のセンターコートチケット入手のためにはだいたい何時くらいに並べばよいか?」など、質問すると答えてくれたりします。ただし、個人が好きで運営しているアカウントなので、もし返ってこなくてもがっかりしないようにしましょう。

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できれば質問する前に、前年のツイートを検索すると良いでしょう。似たようなことを皆聞いているからです。観客の多さはだいたい大会何日目かで同じ傾向になります。例えば、2週目の火曜日はシングルスは女子準々決勝のみで男子の試合はないので、チケットの競争率は大きく下がります。

検索の仕方は、例えば@TheWimbledonQ の2018年7月4日のツイートを検索したい場合は、

from:@TheWimbledonQ since:2018-07-04 until:2018-07-05

とTwitterの検索欄に入れると出てきます。from:@TheWimbledonQとsince:2018-07-04の間、since:2018-07-04とuntil:2018-07-05の間はそれぞれ半角スペースです。

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英語が苦手な場合は、Twitterの翻訳機能もフル活用していきましょう。

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The Queue 公式ガイド

大会直前になるとこのページにThe Queueの公式ガイドがPDFでアップされるので、目を通しておくとよいでしょう。注意事項が書いてあります。2018年版はこちら

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並ぶときに冊子でもらえるので、印刷しなくても大丈夫です。良いお土産になります。

行列について、2018年から変わった点で一番印象的だったのは、当日券のチケット購入に現金だけでなくカードが使えるようになったことです。やっと時代に追いついてきました。

テント泊に必要なもの

テント泊をする場合、だいたい以下のものが必要なので買い揃えます。

・テント(二人用までの大きさで。それより大きいものは禁止。)
・寝袋
・寝袋の下に敷くマット(なくてもよい)
・レジャーシート(なくてもよい)
・折り畳み椅子(なくてもよい)

実際に並んだ時にテントを設置するとこんな感じになります。

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上の写真のテントはQuechuaというブランドのもので、ワンタッチで簡単に設営できるので非常に楽でした。日本のAmazonで探してみましたが、同じものはなかったので、ワンタッチで組み立てられる二人用テントの例としてこちらを挙げておきます。

日本から来る場合、荷物になるのでテントや寝袋は英国で調達しても良いでしょう。Argos などで安く買えます。自信がなければ、テントは最重要アイテムなので、事前にゲットしておきましょう。ロンドンの7月の夜は結構冷えますし、雨の可能性もあるので、必要以上にケチらないようにするのもポイントです。

ウィンブルドンといえばイチゴ!この時期はスーパーに大量のイチゴが出回るので、買っておくのもオススメ。

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第3回・行列準備編は以上です。次は第4回・行列実践編です。

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ウィンブルドン、定価の前売り券の入手方法。まずは抽選に応募

更新:2018年10月27日(2019年のチケット定価について追記)

   2018年12月2日(2019年の抽選応募について追記)

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ウィンブルドン・チケット取り方まとめシリーズ第1回では、「お高い前売り券」について見てきました。

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第2回となるこの記事では、「定価の前売り券」についてまとめ、定価でチケットを買えるチャンスを狙って行きます。

Ticketmaster (公式オンライン販売)

Ticketmaster(チケットマスター)というイベントチケット販売サイト で、センターコートとNo. 3コートのチケットが1日あたり数百枚だけ販売されます。特徴的なのが販売開始時期で、これがなんと各チケット指定日程の前日午前9時です。つまり、2018年7月15日のセンターコートのチケットは、7月14日の午前9時に売り出されました。

当然ものすごく多くの人がアクセスするので、売りに出た瞬間に売り切れます。買えるかどうか、というか接続できるかどうかは運次第です。

別の記事で紹介するThe Queue(行列)に並びつつ、ダメ元でトライする人が多いようです。

チケットマスターのページはこちら

The Public Ballot (抽選)

チケット抽選に応募することができます。抽選に当たると、チケットを定価で買うことができます。観戦日程を指定することはできません。

2018年のチケットの定価は、以下の表(公式サイトより)のとおりです。センターコートで初日、2日目が60ポンド(約9,000円)、だんだん上昇して最終日は210ポンド(約31,500円)です。毎年値上がりするので、2019年は少しだけ高くなるでしょう。

追記:2019年は、センターコート初日が64ポンド(約9,600円)、最終日が225ポンド(約33,750円)です。

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2017年準々決勝、フェデラーvラオニッチ(下の写真)を観ることができたのは、友人がセンターコートのチケットに当たったからです。この年はフェデラーが1セットも失うことなく優勝したので、この試合も「強い…」の一言でした。

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英国国内からの応募

郵便を使う超アナログな方法です。まず、切手を貼って自分の英国内住所を書いた封筒をAll England Lawn Tennis and Croquet Club (AELTC、ウィンブルドンの会場) に送ります。ほどなくして応募用紙が送られてきます。

応募用紙をウィンブルドン公式サイトの記載例などを参照して過不足なく埋めて、AELTCへ郵送します。名前の他に名前のイニシャルだけ書く欄があったりするので、忘れずに埋めます。間違えると(多分)この時点でアウトです。これを大会の前年の12月末までに行います。

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2月頃から当選者には当選のお知らせが郵送されてくるので、期限内にチケット代金を振り込みます。ここで購入されなかったチケットは、再度抽選に回ります。大会直前に当選のお知らせが届いた友人もいるので、気長に待ちましょう。

用紙の請求と応募と、2度も郵送しないとならない非常にめんどくさい方法ですが、これも(古き良き?)伝統なのであきらめましょう。

僕は2014年から2018年まで5年間応募して一度も当たってませんが、毎年身近な人が誰かしら当たってるので、結構チャンスはあるのだと思います。

英国では、テニスファンじゃなくても当たったらラッキーという感じで多くの人がとりあえず応募します。日本人的には、東京でオリンピックがあるなら、普段はレスリング見ないけどちょっと行ってみようかな、みたいな感覚に近いんじゃないでしょうか。ロンドンは毎年ウィンブルドンのような世界が注目するビッグイベントがあって良いですね。

英国国内からのチケット抽選応募について、詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。

https://www.wimbledon.com/en_GB/tickets/ballot_uk.html

海外からの応募(日本を含む)

さすがに郵送ではなく、オンラインで応募できます。

今は期間外のため情報がほとんどないですが、こちらのリンクから応募できます。2019年大会の海外抽選についての最新情報は、2018年9月に発表されます。(追記:発表されたので、別記事にまとめています。)

2018年12月1日から応募が可能です。とりあえず応募しましょう。

追記2:応募方法についてまとめました。

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前売り券についてまとめ

ここまでの2回で前売り券について見てきました。DebenturesとHospitalityのチケットはお金がないと入手は難しく、TicketmasterとBallotは運がないと難しいです。

ではどうするか?

いよいよ、一番現実的な選択肢となる、並んで当日券をゲットする方法について、次回以降の記事にまとめていきます。

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ウィンブルドン、前売り券を確実に入手する方法

更新:2018年12月1日(座席情報とHISの販売プランについて追記)

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テニスのグランドスラム (四大大会) の中で唯一、芝のコートで行われるウィンブルドン。天然芝の緑と空の青、選手のウェアの白のコントラストがとても美しく、会場にいるだけで楽しい気分になれます。これからいくつかの記事に分けてチケットの取り方についてまとめます。

チケット入手には主に以下の5つ方法があり、ざっくりと「お高い前売り券」「定価の前売り券」「定価の当日券」に分類できます。 

お高い前売り券(この記事)
・Debentures (債券保持者向けチケット):時価。確実だが高い。
・Hospitality (ホスピタリティチケット):確実だが高い。優雅な観戦体験。

定価の前売り券(第2回の記事
・Ticketmaster (公式オンライン販売):一瞬で売り切れる。
・The Public Ballot (抽選):定価だがなかなか当たらない。

定価の当日券(準備編実践編お手軽編
・The Queue (行列):並びさえすれば良い席が定価で買える。オススメ!

この記事では、「お高い前売り券」についてまとめます。資金に余裕のある方はこの方法で一発です。

Debentures (債券保持者向けチケット)

ウィンブルドンでは、コートの改修等のために債券(英語でDebenture、読み方はディベンチャー)を発行しており、2018年現在、「2016-2020 センターコート債券(2,500枚)」、「2017-2021 No.1 コート債券(1,000枚)」の2種類の債券が流通しています。例えば、このセンターコート債券を1枚持っていると、2016年から2020年の5年間、ウィンブルドン開催期間中は毎日、センターコートのチケット1枚がもらえます。

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写真:リニューアルされたNo. 1コート外の大スクリーン
(サッカーW杯で勝利したイングランドチームへの祝福メッセージが表示されている)

では、全日程のセンターコートチケット付きの夢の債券、いくらで買えるでしょうか?

「2016-2020 センターコート債券」は、直近だと115,500ポンド(約1,700万円、2018年5月17日)で取引されました。その結果、この債券を買った人は、今後2020年までセンターコートの1座席を確保することに成功しました。

ちなみに、(債券なので)額面50,000ポンド(約750万円)が2020年に返ってくるので安心してください。ということで、2018年から2020年のセンターコート1席(大会13日間/年×3年=39日間)の価値はだいたい1,000万円 (≈ 1,700 - 750) ということになります。1日あたり約25万円です。

さて、1,700万円払ってこの債券を買った人は、センターコートに大会中毎日通うのでしょうか?よっぽどのテニス好きでない限り、答えは恐らくNoです。では使わないチケットをどうするかというと、売りに出すことができます。それを僕たちが買うことができるというわけです。

2018年8月現在、2019年のセンターコートチケットは、2枚で3,000ポンド(約45万円)〜、男子シングルス決勝のある最終日は、2枚で8,430ポンド(約126万円)で販売されてます。これらは以下のリンクから購入することができます。

www.wimbledondebentureholders.com

ディベンチャーチケット座れるのは、以下の図で濃い色の部分です。なお、抽選で手に入るチケットはこれより外側(300番台以降)の席になります(抽選についてはこちらの記事参照)。いちばん内側の100番台の席で観戦したければ、行列に並んで当日券を狙うしかありません。行列に並ぶ方法については、こちらの記事で解説しています。

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ディベンチャーチケットの座席の位置

さて、日本の大手旅行代理店HISで、ディベンチャーチケットが買えるようです(→リンク)。上で紹介したディベンチャーチケットの販売サイトから直接買った場合と、HISから買った場合の金額を比較してみましょう。1日目のセンターコートのチケットは、販売サイトでは2枚で3,250ポンド(約49万円)、HISでは同じく2枚で69万円です。この69万円には、航空券やホテルは一切含まれていません。なので純粋に観戦チケットそのものの比較です。

最終日は、販売サイトでは2枚で8,430ポンド(約126万円)、HISでは2枚で198万円です。要するに、1日目で20万円、最終日で70万円ほど、HIS経由で買った方が高いです。なかなか無視できない大きさの金額なので、できればちょっと英語を頑張って、販売サイトから買って節約したいところですね。

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写真:センターコート外観

いずれにしても、債券そのものを1,700万円で買うよりはましですが、やはりちょっと高いですよね。次に行きましょう。

Hospitality (ホスピタリティチケット)

公式ホスピタリティプロバイダーが、観戦チケットとVIPエリア(専用レストラン・バーなど)入場チケットをパッケージで販売しています。公式プロバイダーは、Keith Prowse と Sportworld です。

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写真:ホスピタリティ一例(Keith Prowseホームページより)

パッケージ価格は、先に取り上げた債券保持者向けチケットより、ホスピタリティー部分があるため2~3割くらい高いです。センターコートで1枚25万円~90万円という感じです。

日本の旅行代理店のJTBやHISが販売しているのは、恐らくこの公式ホスピタリティプロバイダーのチケットなので、マージンが上乗せされてさらに高くなります。ホスピタリティチケットは公式プロバイダーから直接購入したいところです。

ここまでセンターコートの話しかしてませんが、No. 1コートについてはだいたいセンターコートの5割~7割の値段で考えれば大丈夫です。

以上、「お高い前売り券」2種類について見てきました。次の記事では、「定価の前売り券」を取り上げます。

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