チラックス研究所

チラックスを目指すブログ。ウィンブルドン、ランニング、外から見た日本、海外生活、書評などについて。

東京とロンドンの人流データからわかる働き方の違い

Google の提供している人流データに、東京とロンドンの働き方の特徴が現れていて面白い。

以下の図は、東京とロンドンの職場への人の流れを表したもの。各曜日の1、2月の中央値からの変化を示している。

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Google COVID-19 Community Mobility Report より、筆者加工

ピーク時、東京では約40%減、ロンドンでは約70%減

東京でもロンドンでも、5月中旬頃にグラフの底がある。つまり、人々が一番会社に行かなかったのは5月中旬頃だ。東京では出勤者は約40%減、ロンドンでは約70%減だった。

40%減と70%減には大きな開きがあるが、理由はいろいろ考えられる。まず、日本は緊急事態宣言による自粛要請に留まったのに対し、イギリスではいわゆるロックダウン、外出禁止に近い強い措置が取られていた。

また、東京では在宅勤務が可能な人がロンドンより少ないと考えらえる。ロンドンの産業の中心は金融業なので在宅勤務が可能な人が多いが、東京では金融業ばかりではないだろう。

さらに、同じ金融業の中でも東京とロンドンでは差がある。金融業で働く私の会社では、出勤者は減らしたものの完全にゼロにはならなかったのに対し、カウンターパートとなる同業のロンドンの会社では、3月下旬から出勤は禁止されて誰も会社に来なくなった。

東京では、はんこをもらうために出社しなくてはならない、などという残念なニュースもあった。

東京では6月に出勤者が増えた

5月下旬に緊急事態宣言が解除されると、東京では出社する人が徐々に増えていった(図の赤い矢印を比べてほしい)。一方で、ロンドンでは出勤者はあまり増えていない。実際にロンドン在住の友人に話を聞くと、ロンドンでは少なくとも9月までの在宅勤務を決めている会社が多いという。

ホワイトカラーの仕事は今やパソコンとインターネットがあればできるはず。コロナ禍は、働き方を変える良い機会だ。このまま元に戻ってしまうのはもったいない。

そんな事を考えていたら、東京で過去最高の224人の感染者が確認されたというニュースが入ってきた。